移住者インタビュー

楽しい!を求めて地域おこし協力隊に。「ひらけた」田舎で子どもとのびのび暮らす。

地域おこし協力隊の卒業生で、現在は集落支援員としてご活躍されている森麻衣子さん。
地域の皆さんに親しまれ、欠かせない存在である森さんにお話を伺いました。

森 麻衣子 さん
出身地:神奈川県
2020年2月に胎内市黒川地区に移住

新潟県胎内市の地区ごとの地図

胎内市への移住を考えたきっかけと決め手は何でしたか?

地域おこし協力隊(以下「協力隊」)をもう一度やりたいと思ったことが、移住を考えたきっかけです。

もともと別の地域で協力隊を経験していて、楽しかった思い出がありました。
仕事でもプライベートでも、同世代の子とつながることができて、仕事でお世話になることもあったし、仕事が終わってからも一緒にファミレスに行ったり、家にいた記憶がないくらい出掛けていて、そういうのが楽しかったなと思います。

事情により、1年で協力隊を辞めて、地元の神奈川に戻り専業主婦をしていましたが、仕事探しを始めたときに自分が本当にやりたいこと・楽しいことをしようと思い、協力隊になることを選びました。

ほかの仕事と比べても、協力隊は自分で考えて行動することが多く、そういう仕事が自分には合っているなと思う部分もありました。

ニッポン移住・交流ナビ JOIN」でさまざまな地域を見たところ、胎内市は給料や週休3日制といった条件が良かったこと、募集要項に載っていた地域の方と協力隊の写真が印象に残ったこと、募集記事がほかの地域と異なりとてもセンスが良く、それを書いたNPO法人ヨリシロさんが協力隊の活動をサポートするとのことで信頼できるかなと感じたことから、胎内市に惹かれました。

印象に残った写真というのは、協力隊の笑顔が素敵で、楽しそうに活動していることが伝わってくるような写真で、それを見て自分もここに住んだら楽しく明るく過ごせるんじゃないかなと思い、胎内市を選びました。

胎内市大長谷集落にて家族写真

住まいはどうやって決めましたか?

私の場合は、胎内市の協力隊として仕事で関わる地域に住むことになったため、市が手配してくれたところに住んでいます。
もともと納屋だったところを、市が住めるように改修してくれて、お風呂などをつけてくれたようです。

その家に住んでみて、夏は暑いし、冬は寒いので、気候的には快適に過ごせる期間が短いなとは思いますが、それ以上に、住んでいる地域の人と交流できることやお裾分けをいただくことが良いところかなと思います。

胎内市の子育て環境はどうですか?

ちょうどコロナ禍の移住でしたが、神奈川で子育てするよりも、のびのび子育てできたのかなと思います。

住んでいる地域全体が公園みたいなところがあって、自転車に乗っていても「車が来るから危ないよ」と注意をすることも少ないですし、「ここにカエルがいた」とか「ふきのとうが生えていた」という発見もあって、地域を冒険することが遊びになっていると思います。
遊具で遊ぶといった決まった遊びではなく、自ら遊びを見つけて成長する部分はあるかもしれません。

景色も広々としているから開放感もあるし、都会だとなかなか遠くまで見通せないので、遠くの山まで見通せるというのは落ち着きますね。

海にも山にも気軽に遊びに行けますし、公園に行く感覚で樽ケ橋遊園の年間パスポートを買って利用しています。
晴れの日に遊ぶところはたくさんあります。

逆に、雨の日は遊びに行く場所に困ることもあります。
雨の日は、隣の新発田市や村上市、関川村の室内で楽しめる施設やショッピングモールに行くことが多いです。

樽ケ橋遊園のメリーゴーランド
樽ケ橋遊園にはメリーゴーラウンドもあります!

また、引っ越したときに、ほっとHOT・中条(保健福祉施設)にいる保健師さんがお宅訪問をしてくれて、市内で遊べる公園や病院を教えてくれたことがありました。

市内に歯医者や耳鼻科もありますし、子どもが風邪をひいたときなど、基本的には市内にある医療機関で事足ります。
子どもがアレルギーを持っているので、私は隣の新発田市にある専門的な病院も利用しています。

ほかに、地域の方が子どもの面倒を見てくれる感覚はあって、じいじばあばがたくさんいます。
野菜をとらせてもらったり、稲刈りを手伝わせてもらったりしています。

稲刈りを手伝う子ども
胎内市大長谷集落の集まり1

胎内市に暮らしてみた感想を教えてください

今までの暮らしと異なる部分はいくつかあります。
神奈川では徒歩3分のところにスーパーがあって、毎日行って特売品を買っていましたが、胎内市に来てからは週末にまとめ買いをするようになりました。
買い物は、車があれば不便はしないかなと思います。

また、神奈川に住んでいたときは、マンションの向かいに住んでいる人も、挨拶をする程度で深い関わりはありませんでしたが、今は地域の人の名前も全員分かります。
歩いていると声をかけてもらったり、ものをもらったり、一緒に出かけることもあって、全然違うと思います。

胎内市大長谷集落の集まり2

私が暮らす地域は田舎ならではの風景が広がる一方で、どこの地域にいても車をちょっと走らせれば、広い道に出られて、買い物や生活に不便することも少ないですし、胎内市の田舎は「ひらけた」田舎だと思います。

移住して困ったことなどがあれば教えてください

雪に関しては、毎年春を無事に迎えることができるだろうかと心配になる感じです。
積雪量は年によって差がありますが、2メートルほど積もった年もありました。

胎内市の大雪の日

除雪に関しては、移住して最初の年は区長(地域の代表者)が、わざわざ軽トラックに除雪車を積んで、私の家まで来てくれて、大雪の日の朝は除雪をしてくれました。
それ以降の年は、違う方に除雪を行っていただいています。
その方は依頼を受けて、郵便局や民家の除雪を行ってくださっていて、私の家はご厚意で除雪をしてくれていましたが、ほかのところからは謝礼をいただいているとのことだったので、今シーズンからは私もお支払いしています。

雪道運転はまだ慣れていないようで、気を付けて運転していても、スリップしてしまったことがありました。

虫が多いことにも困りました。
移住して最初の頃は、カメムシを見ることも嫌でしたが徐々に慣れてきたかな?という感じです。
高い防虫剤を買って侵入を防いだりもしていて、実際に虫を見る機会も減って、効いていると思います。

また、子どもと2人暮らしなので、神奈川に住んでいたときは、自分の用事があるときに、実家に子どもを預けることができましたが、今はそれも難しいです。
胎内市はファミリー・サポート・センターという制度があって、困ったときやサポートを受けたいときに、有料で子どもを預けることができるので、それを利用することもあります。

胎内市の良いところを教えてください

胎内市全体でいうと、胎内市出身の若者が胎内市のためにさまざまな活動を頑張っているところがいいなと思っています。
いろいろな個人や団体がいて、地元の活性化のために頑張っているというのはすごくいいと思いますね。

住んでいる地域でいうと、ヨソモノを受け入れてくれる雰囲気になっていて、かといって近すぎず礼儀正しいというか、プライベートのことを根掘り葉掘り聞かれることもないし、人間関係もちょうどいいです。

これから地方へ移住を考えている方にメッセージをお願いします

あなたにとって安全で安心なところが一番だと思います。
私は地域の力を借りて楽しく過ごしていますが、今住んでいる場所で安心できるのであれば、そこがあなたにとって良い場所だと思うので、無理に地方に行ってみようとしなくてもいいと思います。

私は、胎内市で安心できて楽しく生活ができると思ったので引っ越してきました。

また、事前にしっかりとその地域を調べることをおすすめします。
私も胎内市に来る前に、保育園のことや胎内市の良さなどを、協力隊のサポートをしているNPO法人ヨリシロさんに質問しました。
長文で熱い返信をもらって、協力隊の受け入れをしっかり行っているんだなと思いました。

それに加えて、協力隊の担当をしていた市職員の方が公私ともに助けてくれて、そういう存在がいて良かったと思っています。
移住先を考える際に、頼れる存在や制度の有無を考慮して、地域を選ぶと良いかなと思います。

取材日:2024年5月10日、6月20日

編集後記

最後までご覧いただき、ありがとうございます!
森さんは、聞き手の私にとって協力隊の先輩でもあるので、共感できるところもあり楽しくお話させていただきました。

お話のなかで、「ほっとHOT・中条(保健福祉施設)にいる保健師さんがお宅訪問をしてくれた」とありましたが、胎内市では、子どもの予防接種や健診履歴の確認、スケジュール作成のために、市外から来た方を含め、すべての子どもと親御さんと面談を行っています

また、海や山はもちろん、それ以外にも外で遊べる場所が多いことは魅力だと感じました。

外で遊ぶ場所といえば、私は公園を思い浮かべますが、私が胎内市に来る前に住んでいた地域は、公園が小さいだけでなく、車通りの多さやボール遊びが禁止されていることなど、制約があるように感じました。
公園だけでなく、自然のなかで縛られずに遊べることは、良い環境だと思います!

胎内市の子育て環境については、こちらでも紹介していますので、ぜひご覧くださいね。

(地域おこし協力隊 重田)

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