移住者インタビュー

学校の先生やご近所さん、たくさんの人に子どもを見守ってもらえる安心感

「胎内市の子育て環境はすごくいいと思うんです。」と話す小野さん。
胎内市中条地区にあるカフェ「珈琲舎ぐれ」でお茶をしながら、お話を伺いました。

※ 珈琲舎ぐれのInstagramLINEもチェックしてみてください!

小野 あずさ さん
出身地:北海道
2022年3月に胎内市中条地区に移住

新潟県胎内市の地区ごとの地図

胎内市への移住を考えたきっかけと決め手は何でしたか?

胎内市に来る前は福島県に住んでいましたが、夫が胎内市出身なので、いつかは胎内市に戻る予定でした。

子どもが小学校に入学するタイミングで、「早く土地に慣れた方が良いかな」と思い、胎内市に引っ越しました。

仕事はどうやって決めましたか?

引っ越しを決めたタイミングで、夫婦ともに仕事を探しました。

私は知人の紹介で、新潟市の会社に勤めています。
夫はネットで求人を探したようで、市内で働いています。

仕事を探していたときに、自宅から車で約50分かかる会社も検討しましたが、夫の家族や会社の方から「遠いから大変だよ。冬は雪が降るからもっと大変だよ。」と言われました。

結局、その会社とはご縁がありませんでしたが、バイパスに乗るまで距離がありますし、新潟市に通勤する人が多いのか通勤ラッシュ時は道路が混んでいるように思うので、胎内市に住んでから「大変だ」と言われたことが理解できました。

住まいはどうやって決めましたか?

夫の実家で、6人で暮らしています。
97歳の曾祖母と8歳の子どものやり取りに癒されています。

おばあちゃんと子ども

胎内市の子育て環境はどうですか?

胎内市に引っ越す前の話ですが、子どもに障がいがあるので、就学先を小学校の特別支援学級にするか特別支援学校にするかで迷っていました。
その頃、ちょうどコロナ禍で県外への移動が制限されていたので、胎内市の学校を見学できないまま就学先を選ぶ必要があり不安でした。

ただ、校長先生や教頭先生、教務主任の先生が電話やお手紙で、こまめに対応してくださり、先生方がここまで対応してくださることにびっくりしました。
無事に入学を迎えることができ、感謝の気持ちしかありません。

小学校では、担任の先生以外の先生も子どもを見かけると声をかけてくださって、先生全員で見てくださっている安心感がとても強いです。

近所の方々も子どもに声をかけてくださって、地域で子どもを育てている感じがあります。
皆さん、親戚のおじさんやおばさんのような感じです。

また、私は胎内市に知り合いがいないので、同じ子ども会のお母さんに分からないことを聞ける点も安心感があります。

教育や療育の制度は、以前住んでいたところと違うので戸惑うこともありましたが、子どものこころとことばの相談室、市役所、小学校、障がい者基幹相談支援センター、放課後等デイサービス(日常生活を送るための動作や社会性の習得を目指して支援をする施設)など、どこに行っても親身に相談にのってくださいました。

ほかにも、胎内市には「ぱすのーと 支援ノート」という障がいがある子どもへの支援で、生まれてからどの医療機関にかかって、どんな療育を受けて、どんなことが好きで苦手かを書いておくノートがあります。

はじめて子どもと関わる人も、そのノートを見れば子どものことをすぐ分かってくれて、口頭ですべてを説明する必要がないので有り難いです。
教育、療育、医療に携わるたくさんの方々に見守ってもらっている安心感があります。

胎内市に暮らしてみた感想を教えてください

自然が豊かで、山や海、田畑に囲まれているので四季を体感できます。

また、樽ケ橋遊園や海、胎内スキー場などアクティビティを楽しめる場所には、車で20~30分で行けるので、事前に予定を立てていなくても、思い立って気軽に楽しむことができます。

胎内市の樽ヶ橋遊園のゴーカート
樽ケ橋遊園ではゴーカートも楽しめます!

今年の夏は海とプールにたくさん行きました。
胎内市にも海やプールはありますが、海は村上市の笹川流れ、プールは新発田市の紫雲の郷に行くことが多いです。

冬は、胎内スキー場によく行きます。
2022年度は雪がたくさん降ったので、そりを持って行って、楽しみました。

胎内スキー場でのそり遊び
胎内スキー場にはそり遊びを楽しめるエリアも!

お祭りや板額太鼓などの伝統行事も身近にあります。
中条まつりでは、以前は子どもが山車だしの音が苦手で泣いていましたが、今は太鼓や笛の音が聞こえると山車だしを探しに行って、楽しんで山車だしを引っ張るようになりました。

中条まつりの山車
中条まつりで見られる山車だし

また、おじいちゃんが畑で野菜を育てているので、朝に採った旬の野菜を食べられて贅沢だなと思います。
子どもに「おじいちゃんの野菜だよ」と話すとよく食べてくれるので、以前より野菜をたくさん食べるようになりました。

胎内市の特産品もいいなと思っています。
米粉や「タノブラック」という市場に流通しないぶどう、大長谷集落のハーブ、マコモダケ、チューリップフェスティバルで見た竹灯籠などがあり、地域を盛り上げる取組がたくさんあって、地元の方々の活気を感じます。

チューリップフェスティバル 竹灯籠
チューリップフェスティバル会場にあった竹灯籠

最近、「胎内MPC(マウンテンパワークラブ)」という山の会に仮加入しました。
もともと山登りをしていましたが、妊娠・出産でなかなか行くことができていませんでした。
胎内市は山がたくさんあるので、趣味を通して知人が増えれば、もっと楽しく過ごせそうだなと思います。

胎内市シシノ立 春山登山
市主催のシシノ立を目指す春山登山にも参加されたそう

移住して困ったことなどがあれば教えてください

医療機関がもう少し充実しているといいなと思っています。
子どもの体調が急に悪くなったとき、通っている病院は土曜日の午後がお休みで、最寄りの休日診療は日曜日しか開いていないので、困ることがあります。

また、どんよりとした天気の日が多く、青空や太陽のありがたみを感じます。

お肌の潤いのためには良いはずだと思うようにしていますが、湿度も高いです。
青森県に住んだ経験もあり、雪の量はあまり気になっていませんが、水分が多いのか雪が重たいです。
冬は外に洗濯物を干せないですし、ぱりっと晴れてほしいなと思います。

映画館や大きな美術館などは、新潟市まで行かないといけないので、文化施設がもう少し近くにあればいいなと思っています。
都市部では気軽に見ることのできる映画が、今は一大イベントになっています。

公共交通機関も少ないです。
基本は車移動なので路線バスもないですし、電車も1時間に1~2本程度で乗り遅れると大変なことになります。
ただ、電車の時間を基準に予定をたてられるメリットはあるかもしれません。

これから地方へ移住を考えている方にメッセージをお願いします

どの地域を選んでも、良いところとそうでないところがあると思います。
自分が一番大切にしたいものは何か、譲れないものは何か、何のために来たのか等、折り合いをどこでつけるかを考えることが大事だと思っています。

最終的には、その土地に慣れることができるかどうかだと思います。
慣れることができなかったり、ないものねだりになってしまうと辛くなると思います。

正直、私はまだ胎内市の生活に慣れていません。
「慣れなきゃ」、「馴染まなきゃ」と気負うと心が折れそうなので、まだ3年目ですし、永住する予定で時間はたくさんあるので、ゆっくり慣れていけばいいかなと思っています。

取材日:2024年9月11日

編集後記

「アクティビティを楽しめる場所には車で20~30分で行けるため、事前に予定を立てていなくても思い立って気軽に楽しめる。」とお話してくださいましたが、これは都市部ではなかなかできないことだと思います。

聞き手の私は小野さんと同じ移住者ですが、海で遊ぶことは一大イベントでしたし、気軽に遊びに行く場所といえば、それこそ映画館がありました。
「都市部では映画館に行く感覚で、胎内市ではアクティビティを楽しめる感じですね!」と小野さんとお話しましたが、休みの日の過ごし方や楽しみ方も、都市部とは異なる部分があります。

胎内市での楽しみ方といえば、自然を活かしたアクティビティなどがあるので、胎内市観光協会MURA-ASOBIのサイトで、ぜひチェックしてみてください!

※ 胎内市に隣接する自治体の海やプールのお話もありましたが、胎内市にも村松浜海水浴場や「クアハウスたいない」というプール施設があります!

※ 障がいのある子どもへの支援はこちらからご確認いただけます。

(地域おこし協力隊 重田)

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