移住者インタビュー

リノベーションした古民家で友達とのんびり。時間に追われずゆっくり過ごす

友達同士で胎内市に移住した清水さん(仮名)と山本さん(仮名)。
千葉県で一緒に働いていた2人は、胎内市で古民家を改修しながら生活しています。
そんな素敵なご自宅でお話を伺いました。

清水 さん(高知県出身)
2024年8月に胎内市黒川地区に移住
山本 さん(千葉県出身)
2024年9月に胎内市黒川地区に移住

新潟県胎内市の地区ごとの地図
 

胎内市への移住を考えたきっかけと決め手は何でしたか?

清水さん:もともと古いものや自然のものが好きで、古民家に住んでみたいと思っていました。

全国の空き家が掲載されているサイトで家を探していたときに、今住んでいる家が出てきて「胎内市って友達が住んでいるところだな」と思って、まずはその友達に家を見に行ってもらいました。

友達から「結構しっかりしているみたいで広くていいよ。一回見に来れば?」と話をもらったので、家の持ち主さんに連絡を取って家を見せてもらいました。

山本さん:それがもう12年前(2012年)になるんですが、私は清水さんに誘ってもらって一緒にここを見に来ました。

竹藪の中にある古い家という感じで、お風呂のかまどの跡があったり、古くて使えなさそうなものがあったりして、正直「うわ~」とびっくりしました。

清水さん:かなり改修しなければならない家でしたが、梁や鴨居が太くてしっかりしていて良いなと思いましたし、「これは改修が面白いぞ!」とも思いました。
「ああしたい、こうしたい」とイメージがパーッと湧きました。

家の基礎もないくらいの古民家を直すことは私にはできませんが、この家はある程度直せば大丈夫だと思って、家を購入することにしました。

古民家であれば全国どこでも良かったのですが、たまたま胎内市の家を気に入ったことと、胎内市に住んでいる友達がいるのが移住の決め手でした。
地方移住したけれどヨソモノ扱いされて受け入れられなかったというニュースも聞きますが、友達がいると強い味方になってくれるのではないかなという考えもありました。

山本さん:私は古民家に住みたいっていう考えは全然なかったのですが、新しいことを始めるってわくわくするじゃないですか。

せっかく清水さんが誘ってくれたので、それにのっかってみようかなと思ったのが決め手ですね。

古民家 部屋の様子
築90年くらいの古民家をリノベーション!

住まいの改修について教えてください

清水さん:2012年に家を購入して、2~3年は古民具や材料を集めて置いているだけでした。
このまま置いているだけでは買った意味がないと思い、改修してくれる大工さんを探しました。

最初は胎内市の大工さんの探し方が分からなかったので、地元の高知県にいる友達にお願いして大工さんを7人呼びました。
必要な材料は千葉県の業者さんから買って、胎内市まで運んでもらいました。

それが2016年頃で、家全体を直してもらいました。
畳だった床を全部フローリングにしたり、窓を入れてもらったり、壁も貼ってもらいました。

古民家 古民具店で購入したドア
神奈川県の古民具を売るお店で購入したドア。これも大工さんに嵌めてもらったそう。

その後、胎内市に住んでいる友達から教えてもらった市内の業者さんに、水回りと電気関係を直してもらいました。
今も何かあると同じ業者さんにお願いしています。

住み始めたのは2024年8月からでしたが、それまでは水道を止めていた冬季を除いて毎月2泊3日で胎内市に来て、家の修理などをしていました。

私は部屋が狭いのが好きではないので、自分で壁を取って部屋を広くしたりしました。
自分で買った家だから、好き放題に何でもやっていますね!

もともと竹藪がありましたが、うっそうとして暗いイメージだったので、胎内市に住む友達にお願いして竹を伐採してもらいました。

まだまだ改修中で、毎週のように板を買いに行って壁に貼ったり、お庭の整備をしています。

お庭は雑草が生えないようにしたいと思っていて、庭の土を20cm取り除けばコンクリートがあることが分かったので、そのコンクリートを出す作業をしています。
土を取り除く作業で石が出ますが、その石を集めて玄関回りに敷き詰める作業も行っています。

家は全部気に入っていますが、2階の部屋の梁はとても立派で大好きです。

山本さん:こんな梁はなかなか見られるところはないと思います。

古民家改修 お気に入りの立派な梁
お気に入りの立派な梁。壁の色は清水さんセレクト。
古民家 手作りの食器棚
手作りの食器棚。可愛いお皿がたくさん並んでいました!

胎内市に暮らしてみた感想を教えてください

山本さん:朝起きて外に出たときに、山が見えたり、川の音が聞こえたりして、気持ちが晴れます。
今日も頑張ろうって思えます。

また、石拾いをしたり、みょうがをとったり、その作業だけに集中して何も考えずに夢中になって取り組める環境がいいです。

みょうがを採る様子
みょうが収穫中

今までの自分はいろいろなことを考えたり、時間に追われて急いでいたりしてストレスがずいぶん溜まっていたんじゃないかなと思います。
「あれをやって、これをやって…」と急かされていたので、1つの作業に没頭できる今の環境はいいですね。
体も動かしているし、体調もいい気がします。

清水さん:私は2ヶ月に1回は仕事で千葉に行ったり、電話で困りごとの相談にのったり、スーパーバイザーとして働いていますが、ここで作業をしていると頭が空っぽになって仕事のことを忘れてしまいます。

都会ならではのストレスからは解放されるかもしれないですね。
電車に乗って会社に行くだけでもたくさんの人がいて、どうしても人を意識してしまいますが、胎内市ではたくさんの人を意識しなくてもいいし、時間の流れもゆっくりな気がします。

山本さん:ご近所さんから野菜などをお裾分けでいただくこともあります。
千葉ではみんな我関せずという感じで、周りの人とはあいさつ程度しかしなかったので、人の温かさを感じるというか良くしていただいています。

移住して困ったことなどがあれば教えてください

清水さん:コンビニが遠いので、もう少し近くにあったら楽だったなと思います。
家から一番近いコンビニは8km先にあるので、せめて半分の4kmくらいだったら良かったなと思いますね。

山本さん:買い物自体は移動販売が来てくれるので、少し割高ですが助かっています。

あとは病院も遠いですね。
なるべく病気にかからないように気を付けようと思っています。

これから地方へ移住を考えている方にメッセージをお願いします

清水さん:自分の好きな地域に行った方がいいと思いますが、その地域の特性を捉えてから移住しないと「こんなはずじゃなかった」という事態になりかねません。

きちんと自分で調べて、その地域でちゃんと自分が生活できるのかをよく考えた方がいいと思います。
私は、自分のことだけでなく、今も千葉で暮らす家族のことを考えたこともありましたし、移住には覚悟が必要だと思います。

私は事前にインターネットで調べたり、実際に胎内市に行ってみたり、胎内市に住む友達に胎内市のことを聞いたりしました。

移住体験をしてみて、生活するうえでのイメージをきちんと膨らませることも良い手段だと思います。
「よく考えてから移住した方が良いですよ」と伝えたいです。

取材日:2024年12月3日

編集後記

移住者交流会がきっかけで知り合った2人にインタビューをさせていただきました!
※ きっかけになった移住者交流会は、「【イベントレポート】移住者交流会 本町まち歩き編」で紹介しています。

交友関係の広い2人は、新潟県外に住む友人を招くこともあるそうで、友人を招いた昼食会に私も一度参加させてもらいました。

庭になった栗をお米と一緒に炊いたり、みょうがや野草を採って天ぷらにしたり…
素敵な古民家に友人同士で暮らして理想の田舎暮らしをされているなと感じました!

栗ごはんと天ぷら
栗ごはんと天ぷら

2人は全国の空き家が載っているふるさと情報館というサイトで古民家を探したそうですが、胎内市では空き家バンク制度を設け、空き家を所有されている方から提供いただいた住宅や店舗を、移住したい方や起業を検討されている方に活用いただけるよう特設サイトにて紹介しています。

古民家で暮らしてみたいと考えている方は、ぜひ特設サイトで紹介している古民家もご覧いただければと思います!

また、2人の住む場所は自然に囲まれている一方で、コンビニや病院が家から遠い点もあります。
胎内市内はコンビニや病院に近い住まいを選ぶこともできますし、山や田んぼに囲まれた住まいを選ぶこともできます。

移住を考えたときに、利便性や自然など何を優先するか順位をつけて住まいを探すと良いと思います。

(地域おこし協力隊 重田)

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