看護師、「café Dal」のオーナー、「遠藤ファーム」の代表取締役など、さまざまな仕事に携わってきた遠藤さんにお話を伺いました。
遠藤 真由美さん
出身地:胎内市
2013年に神奈川県から胎内市中条地区にUターン

胎内市への移住を考えたきっかけと決め手は何でしたか?
移住の決め手でこれといったものはないですね。
「こうしたい」という思いはふんわりありますが、どちらかというと流されて今に至る感じです。
私は胎内市出身で、胎内市を出て戻ってきて、というのを2回しています。
1回目は、18歳のときに神奈川県の看護学校に通うために胎内市を出ました。
学校を卒業して新潟市の病院に4,5年勤めましたが、訳あって退職しました。
これからの自分の人生が見えてきてしまった気がして、つまらないなと思って、バイクで旅に出たり日本一周をしてみたり、好きなことをした後に胎内市に戻って別の病院で働いていました。
2回目は、39歳のときにカフェスクールに通うため胎内市を出ました。
もともとは、親戚が「カフェを始めたい」と言って、私の両親が胎内市で土地を探していたんです。
私自身カフェを始めたいと思ったことは一度もなかったのですが、その親戚が亡くなってしまい、両親から「そこでカフェでも始めてみたら?」と言われたことがきっかけで、カフェスクールに通ってカフェを始めることにしました。
「人生一度きりだから何か新しいことをしてみたい」という思いがありました。
始めは、胎内市から夜行バスで東京のカフェスクールに通っていました。
ただ、とりたい授業をとれなかったことがあり、胎内市を出て神奈川県の病院で働きながらカフェスクールに通うことにしました。
同時に開業資金を貯めることにして5年くらいかかりましたが、2013年に胎内市に戻ってきて、2014年に「café Dal」をオープンしました。
それからは胎内市に住んでいます。
※ 「café Dal」については、ウェブマガジンThings『北欧スタイルのお店で自慢のパフェを楽しめる「café Dal」。』の記事やInstagramをご覧ください。
仕事について教えてください
8年半くらい「café Dal」を続けましたが、コロナ禍で客足が戻ってこないかなと思って、2022年にスタッフさんに「café Dal」を譲りました。
お互いにとって良かったと思っていますし、そのまま「café Dal」を残して続けてくれているので嬉しく思っています。
今は、亡くなった父が立ち上げて、両親が運営していた「遠藤ファーム」の代表取締役として働いています。
毎日、牛のお世話をしています。

父の代から決まっていた事業継承のために、どういった形で次の経営者に引き継ぐかを進めることが「遠藤ファーム」での私の最後の仕事です。
それが終わった後は何も決めていないので、新しいことを始めてみてもいいかなと考えています。
※ 「遠藤ファーム」については、ウェブマガジンThings『女性だけでブランド牛の「遠藤牛」を飼育する「遠藤ファーム」。』の記事やInstagramをご覧ください。
住まいはどうやって決めましたか?
実家に住んでいます。
私の住んでいるところは、ちょっと都会的な部分もあってあまり人に干渉しないので、住みやすいように思います。
我関せずという感じですね。
胎内市に戻ってきた感想を教えてください
胎内市を出る前と出た後で特に変わらないですし、田舎だなぁと思います。
日常生活をする上では問題ないけれど、少し変わったことをしようと思うと胎内市にはないですね。
例えば、私は油絵の教室に通っているんですが、胎内市にはないので新潟市の教室に通っていますし、ネットではなく実物を見てから買いたい画材なども新潟市のお店で購入しています。(※ 胎内市中央公民館で油絵を楽しむサークル・団体があります。)
車で1時間くらいかかりますね。
何もないからこそ、自分で楽しめる何かを探さないといけないかなと思います。
魚釣りや山登りが好きな人は合っていると思います。
ほかには、胎内市にはゴルフ場が4つもあるので、ゴルフが好きな人もいいかもしれません。
私は犬の散歩を楽しんでいます。
犬の散歩する場所は市内にどこにでもありますからね。
海に連れて行くと、誰もいない日もあってプライベートビーチになることもあります。

日常生活の買い物は、近くのドラッグストアを利用することが多いです。
野菜もあるし、安くてちょうど良い量のお弁当もあります。
私にとって、胎内市のスーパーは広すぎるところが多いので、ドラッグストアの広さがちょうど良い広さだなと思って利用しています。
胎内市の飲食店だと、珈琲舎ぐれやcafé Dal、よれんす(居酒屋)、常の家(創作日本料理)、大東園(焼肉店)などでごはんを食べることがありますね。
美月堂(お菓子屋)のいちご大福は日本で一番美味しいと思っているし、そこの芋羊羹も大好きです。
お菓子とパンのマサヤのロシエもたまに食べたくなります。

食べることばかりになってしまいますが、美味しいものはやっぱりいいなぁと思います。
困ったことなどがあれば教えてください
住み慣れた土地なので、特にこれといったものはないですが…。
若い人の遊ぶところがないのかなと思っています。市外に遊びに行っているのかな?と思います。
あと、「café Dal」でオーナーとして働いていたときに、冬に除雪車が90cmくらいの雪玉を店の入口前に置いて行ったことがあって、そのときは大変でした。
「人力では動かせないような雪玉を置いていかないで!」って思ったことはあります。
自宅前は消雪パイプ(地下水を路面に散水して雪を溶かす施設)で雪は消えますし、海からの風が吹くと雪は積もらないですが、多いときは50cmくらい積もりますね。
今年(2024~2025年)の冬は2回くらい積もりました。
これから地方へ移住を考えている方にメッセージをお願いします
旅をしているときに知り合った旅人から「夕日が沈むときに寂しくなる場所は自分に合わない。夕日を見て綺麗だなって思えたり、寂しくならなかったら住める場所らしい。」と聞いたことがあって、その言葉はなんとなく分かる気がします。
ここは夕日が綺麗だなと思います。


日本一周してみて感じたのは、結局どこも一緒なんだなということです。
沖縄は少し違うけれど、それ以外は言葉が少し違うくらいで、似たような景色が広がっていたり、胎内市の海沿いは北海道の海沿いと似ているところがあったり、大きな違いはないんですよね。
なので、自分次第だと思います。
自分が楽しいと思える場所がいい場所なんだと思います。
取材日:2025年4月10日
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編集後記
遠藤さんのお話を聞いて、かっこいい生き方をされている方だなと感じました。
何か新しいものに挑戦するときに重い腰が上がらないことはよくあると思いますが、新しいことにいろいろと挑戦されていて、素直に「すごい!」と思います。
遠藤さんから「山登りが好きな人は胎内市に合っていると思います。」とお話がありました。
胎内市に住んでいて山登りを楽しんでいる方にお話を聞いたところ、飯豊連峰や櫛形山脈、高坪山、鍋倉山、牟礼山、風倉山などの山登りができると教えてもらいました!
胎内市主催のイベントで櫛形山脈縦走登山や春山登山などもありますので、そこで山登りを楽しんでいる方と知り合えるかもしれません。
イベント開催時には、市ホームページでご案内いたします。
また、ゴルフ場は日本海カントリークラブ、櫛形ゴルフ倶楽部、胎内高原ゴルフ倶楽部、中条ゴルフ倶楽部の4つありますので、ゴルフが好きな方はぜひ足を運んでみてください。
※ 胎内市中央公民館で活動しているサークル・団体で油絵教室がございます。詳細はこちらからご確認ください。問合せ先:生涯学習課 社会教育係(0254-47-2711)
(地域おこし協力隊 重田)