移住者インタビュー

想定外の地方移住…「ないもの」より「あるもの」を見つける!家族で楽しむ暮らし

「子どもが自然の中でのびのびと遊んでいる姿を見て幸せだなと思います。」と話す川合さん(仮名)。
自ら望んだ移住ではなかった川合さんが、胎内市で家族と共に暮らして感じたことを伺いました。

川合 さん
出身地:東京都
2024年3月に胎内市中条地区に移住

新潟県胎内市の地区ごとの地図
 

胎内市への移住を考えたきっかけと決め手は何でしたか?

夫の仕事の都合で、必然的に移住することになりました。

胎内市のことは全く知らなかったので、移住前は不安でいっぱいでした。
Googleマップを見てもお店が少ないですし、子どもや病院のことも心配で、夫に単身赴任をしてもらおうかとも考えましたが、「まずは家族全員で胎内市に住んでみて、しんどかったら別のところに引っ越そう」と思い、夫に付いて行くことにしました。

事前に胎内市のことを調べたときに、子どもと一緒に楽しめそうな樽ケ橋遊園胎内自然天文館などの施設が市内にあることを知りました。
小学生と年長の兄妹が自然と触れ合うことが好きなので、そういった楽しそうな施設があることは移住の後押しになりました。

子どもの年齢を考えても、胎内市内で家族みんなが楽しく過ごせる時期かもしれないとも思いました。

ほかにも、知り合いの方に「隣の新発田市や新潟市に出れば大きな病院やいろいろなお店があるよ。車の運転が苦手でも国道7号を通っていけば新発田にはすぐに行けるよ。」と教えてもらって、何とかなるかなと思えましたね。

住まいはどうやって決めましたか?

家族全員、雪が降る地域で生活をしたことがなかったので、除雪作業が心配でした。
そのため、大通りになるべく近くて、消雪パイプ(地下水をポンプで汲み上げ、路面に散水して雪を溶かすための装置)が整備されている住まいにしました。

実際に雪を経験してみて、車を出すときの除雪作業だけでも大変だったので、自分たちの実力をわきまえて大通りの近くの家にして良かったと思いましたね。

胎内市の子育て環境はどうですか?

まずは、子どもが胎内市に馴染んでくれて良かったです。
子どもの小学校やこども園では、皆さんが温かく迎えてくれたので、嫌がらずに登校・登園してくれました。

私はこども園の先生にいろいろと助けてもらいました。
胎内市に引っ越してきた当初は体調を崩しがちで、「病院はどこがいいですか」などと相談にのっていただいたりしていました。

また、子どもたちが自然の中でのびのびと楽しそうに遊んでいる姿を見て、母として幸せだなと思います。

例えば、樽ケ橋遊園は緑がいっぱいあって自然を感じながら過ごせますし、混みすぎていないので気持ちにゆとりを持てるのもいいですね。
子どもも「楽しい!」と言っていて、この年齢のときに自然の中で遊んで学べる環境があって良かったかなと思います。

フィッシングパーク昆虫の家胎内市美術館で行っているイベントなども行ったことがあります。

新潟県胎内市 釣り フィッシングパーク
「家族がフィッシングパークが好きなんです」とのこと

あと、思っていたよりも子どもと楽しめるイベントが多くてびっくりしました。
今まで住んでいた所よりも多い気がしていて、あっちでもこっちでもいろいろなイベントが催されています。

米粉フェスタ」、「〜ハレ×アメ〜ethicalmarché × SLOWCAL MARCHE」、「山あいのちいさなワンダーランド!」などに行ったことがあります。
胎内市にあるものでイベントを上手にたくさん開催してくれるイメージがありますね。

新潟県胎内市 やらにゃん 米粉フェスタ
「米粉フェスタ」では、胎内市のゆるキャラ・やらにゃんが大人気だったそう。
山あいのちいさなワンダーランド! 新潟県胎内市
室内で思いっきり遊べるイベント「山あいのちいさなワンダーランド!」では1日中遊んだみたいです♪

車で15分くらい走らせれば大体のところに行って帰ってくることができるので、午前中にイベントに行って、自宅で休憩してから午後に公園で遊ぶこともできますし、ゆとりがありますね。
市外の混んでいそうなイベントに行って疲れ果てて帰ってくる…ということをしなくても済んでいます。

胎内市に暮らしてみた感想を教えてください

地域が身近にある…というのかな。
息子が小学校で味噌について五十嵐こうじ屋さん(味噌・こうじ・甘酒の製造や販売を行っている胎内市のお店)から学んできたんです。

「五十嵐こうじ屋の味噌はここが良くて、こういうところにこだわっているんだよ」とプレゼンしてくれたので、実際に使ってみました。
それでまた「やっぱり違うね、美味しいね」という話になって、胎内市のもので食卓が盛り上がったんですね。

東京では生産者が分からないのが当たり前だったので、地場野菜だとか、市内のお菓子屋さんのお菓子だとか、生活圏内で作られたものを子どもと一緒に楽しめるのがいいですね。

新潟県 胎内市 五十嵐こうじ屋
五十嵐こうじ屋さんの味噌は「無添加」が売り!

また、胎内市のまち中に住んでいても、自然と共に生きていることを感じます。
東京で育ったので、天候に対して甘く見てしまうところがあるんですが、無理をしない判断をとる必要があると身に染みて感じています。

特に、雪が降っているときは予定を取りやめることもあります。
ある程度、生活に余裕を持たないといけないと思っています。

雪が降ると、出掛ける前に雪かきをして、車もゆっくり運転しないと危ないので、いつもより30分くらい早めに行動することもあり、時間にも余裕をもつ必要がありますね。

厳しい冬を経験したからこそ、初めて感じたこともありました。
雪がたくさん降った後に晴れ間のあった日がとても嬉しかったり、桜のつぼみが膨らんだのを見て「冬を乗り越えて頑張ったんだね」と思えたり、そういう感情は初めてでした。

道の駅胎内から見る景色が好きなんですが、厳しい冬を乗り越えたから、緑を美しく感じられるのかなとも思います。

新潟県胎内市 道の駅 風景 自然

日本アルプスのような景色を、こんなに近くで見られるなんで幸せだなと思います。
胎内市に住めて嬉しいなと思えた景色です。

移住して困ったことなどがあれば教えてください

スーパーやドラッグストア、ホームセンターがあるので、日常生活の買い物は困りませんが、洋服を買おうと思うと市内で済ませるのは厳しいですね。
隣の新発田市に買いに出かけたり、ネットで購入したりしていますが、思い立ったときにパッと買える服屋が市内にもう少しあるといいなと思います。

あとは、東京と比べると雨の日が多くて、子どもが外で遊べる期間が短いです。
学校の体育だけだと子どもの運動量が足りないので、天候に左右されずに小学生も遊べるような屋内施設が胎内市にもあるといいなと思います。

天気の悪い日が多いので、最初の1年は洗濯物がなかなか乾かないこともストレスでした(笑)
「どうせ乾かないのなら多めに買っておこう」と自分の気持ちにようやく整理をつけられるようになったので、今は楽になりました。

ずっと胎内市に住んでこられた、子どもの友達のお母さんやご近所さんに「洗濯物が乾かないんですけどどうしましょう」と聞いたこともありましたね。
それ以外でも日常生活で困ったことがあれば聞いてみて、教えてもらったり、助けてもらったりしています。

ほかには、贅沢なことを言いますが、病院がもう少しあると心強いです。
東京だと、セカンドオピニオンを受けることや、処方された薬や診察時間が合わないときに別の病院に行くことが簡単にできますが、それが胎内市だとできないので…。

子どもの体調が急に悪くなって病院に連れていきたいと思ったときも、市内に行ける病院がないと、私は新発田市の病院に連れていくんですが、遠いし大変なんですよね。
耳鼻科と歯医者はいいところを見つけられたのですが、小児科と皮膚科がもう少しあると嬉しいですね。

これから地方へ移住を考えている方にメッセージをお願いします

私は意思を持って移住したわけでなく、夫の仕事の都合で地方を転々としているんですが、自分では変えられない天気や病院のことは諦めていかないといけないかなと思います。
諦める気持ちも大事で、そこばかりにフォーカスしていると気持ちがどんどん暗くなってしまいます。

それよりも、その地域にある良さや、その地域でしかできないことを見つけて楽しむ気持ちに持っていけると、やむを得ず地方に来てしまった人も「いい経験だ」と思えるかもしれないですね。

あとは、焦らないことですね。
私は移住して最初の1年は「地域に馴染む1年」と決めて、無理をしないようにしています。

1年目から焦っていろいろと手を出してしまうと、私自身が破綻してしまうと思って、2年目から生活を充実させようと思っています。

先人に学ぶことも大切だと思います。
市外から引っ越してきた人が何に困っているのか、もともと住んでいる人は分からないと思うので、自分から聞いていろいろと教えてもらえるといいと思いますね。

そこから会話が発展して、知り合いが増えていくと、新しい土地での生活がより充実したものになると思います。

取材日:2025年5月15日

編集後記

私は川合さんと出身地が同じなので、「冬の晴れ間がとにかく嬉しい」、「なかなか洗濯物が乾かない」など共感の嵐で、楽しくお話させていただきました!
(洗濯物については、胎内市役所に勤める方から「洗濯物を早く乾かす術として除湿器を使用すると良いよ!」と教えていただいたので、参考にしたいと思います。)

「日常生活で困っていることや分からないことをご近所さんなどに聞いて教えてもらうと良いと思います」と川合さんがお話されていましたが、それについても共感できて、私もその通りだと思っています。

例えば、私はペーパードライバーの状態で胎内市に来たので、雪道運転は当然したことがありませんでした。
移住1年目は、「いつスノータイヤに変えたらいいですか?」、「雪道運転で気を付けることはありますか?」など、とにかく周りの人にたくさん聞いていました。

「雪が降ったらこの道は運転しない方がいいよ」、「吹雪いていたらそもそも運転しない方がいいよ」などなど…皆さんとても親切に教えてくれます。

困っていることや分からないことを聞いた結果、対処方法を教えてもらえるだけでなく、その相手との距離も若干縮まると思うので、一石二鳥ではないでしょうか!

地方移住を検討している方、または地方移住をされた方は、勇気を出して分からないことをいろいろな方に聞いてみるのも手かもしれません。
胎内市が気になる方は、移住相談・問い合わせからお気軽にご相談ください!

(地域おこし協力隊 重田)

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