移住者インタビュー

まるで家族の温かさ。人のぬくもりを感じる山あいの日常

「住んでいるところはみんな話しやすくて家族みたいな感じ」と話す羽田さん。
目の前に田んぼが広がる羽田さんのご自宅で、胎内市での暮らしについて伺いました。

羽田 由美子 さん
出身地:新潟県見附市
2012年8月に胎内市黒川地区に移住

新潟県胎内市の地区ごとの地図
 

胎内市への移住を考えたきっかけと決め手は何でしたか?

胎内市出身の夫と結婚して、市内に家を建てたことがきっかけで引っ越してきました。

引っ越す前に胎内市のことをあまり調べなかったので、生活し始めてから自分が山奥に住んでいることが分かりました(笑)
胎内市のことをよく知らないまま連れて来られた感じですかね。

仕事はどうやって決めましたか?

ハローワーク新発田で探しました。
今は薬局で働いていますが、工場などで働いたこともあります。

ネットでハローワークの求人を見ることもできるので、なんとなく見て、仕事を探すこともありました。

胎内市に来る前はトリマーの仕事をしていたので、移住当初は動物と関わる仕事を探したんですが、希望する勤務形態の仕事がなかったり、そもそも求人数が少なかったりして、別の仕事を選びました。

住まいはどうやって決めましたか?

結婚当初は胎内市のまち中に近い賃貸物件に住む案などもありましたが、私が「家を建てたい」という夢があって、義理の両親が「敷地内に家を建てるなら少し援助するよ」と言ってくれました。

それで市内の夫の実家の隣に家を建てて、住むことにしました。

胎内市の子育て環境はどうですか?

ほかの地域で子育てをした経験がないので分かりませんが、家で子どもが騒いでいても周りに迷惑をかけることもなく、子育てしやすいのかなと思います。

子どもが小さいときは、北公園によく行っていました。
北公園は線路脇にあって電車を見られるので、電車好きの子どもをよく連れて行っていました。

市外だと、新発田市の五十公野いじみの公園にもよく遊びに行っていました。
無料で遊べて、広くて、遊具もあって、とても良かったです。

小学校やこども園は人数が少ないですが、逆にそれがいいと思っています。
人数が少ない分、先生の目が届きやすいですし、子どもの友達やその親御さんも覚えやすいので、みんな仲良しな印象があります。

新潟県胎内市 山あいの地域で暮らす子どもたち

ただ、学校から帰ってきて、子どもたちだけで遊びに行ける場所がなく、近くに友達も住んでいません。
放課後はほとんど兄弟で遊んでいて、自転車で農道を走ったりしています。

新潟県 胎内市 子育て 桜 自転車

自分が子どものときを考えると遊び相手がいるのが当たり前だったので可哀想かなと思ってしまいますが、子どもたちは最初からそういう環境なので何とも思っていないのかもしれませんね。

胎内市に暮らしてみた感想を教えてください

もともと人混みが苦手なので、自然の多い環境は落ち着きます。
夜は本当に静かで、虫やカエルの声しか聞こえません。
最初は、夜が静かすぎてなかなか眠れませんでした(笑)

仕事終わりに日常生活の買い物を済ませることが多いですが、自宅からスーパーに行くと車で20分くらいかかります。
子どもが生まれてからは、生協の食材宅配サービスも使用しています。

雪がたくさん降るときは、本当にすごいですね。
朝起きたら、一気に60cmくらい積もったことがあってびっくりしました。
それまでに積もっていた分の雪もあるので、ものすごい高さでしたね。
今は義理の父が重機を使って除雪をしてくれていますが、自分たちが年をとったら除雪できるのかなという不安はあります。

ご近所さんはみんな話しやすくて、家族みたいな感じで接してくれます。
以前、同じ地域に住んでいた地域おこし協力隊の森さんが、イベントやサロン(ご近所同士のふれあいをつくる地域交流の場)を開いてくれて、それで地域の方との交流の機会も増えました。

新潟県胎内市 サロンでの集合写真
サロンでの集合写真
団子さし
小正月行事「団子さし」

それ以外でも、私の住む地域では、東京に本社がある企業との交流があります。
田植えや稲刈りなどがメインの交流会が毎年あり、参加して楽しんでいます。

新潟県胎内市 田植え
新潟県胎内市 稲刈り

住んでいる地域以外の胎内市のイベントにもよく行っています。
春のチューリップフェスティバルは毎年行きますし、秋は食のイベントが多いイメージで、昨年(2024年)は「胎内いいもんマルシェ2024」に行きました。

冬は自宅から近い胎内スキー場に行きます。
夫がスキーを教えられるので、それがきっかけで子どももスキーをするようになりました。
今年(2025年)は、「胎内スキー場開場60周年記念イベント」にも行って花火も見られて良かったですね。

移住して困ったことなどがあれば教えてください

近くにお店がないので、歩いて行けるお店が欲しいなと思います。

例えば、カレーを作っているときに「ルーを買い忘れた!」となると大変です。
車を出して時間をかけて買いに行くか、諦めるかの2択で、ちょっとした買い物ができるお店が近くにあったらいいなと思います。

もともと住んでいた見附市では、徒歩または自転車を使って駅やショッピングセンターなどに行くことができていました。
胎内市では、夜に出掛けられるところもあまりないし、車がないと生活しにくいかなと思います。

それ以外で困っていることは今のところないですね。

これから地方へ移住を考えている方にメッセージをお願いします

胎内市内への移住を検討しているのであれば、場所にもよりますが、私の住む山あいの地域だと車がないとどこにも行けないので、そういった不便さは覚悟した方が良いと思います。

一方で、胎内市に住んでいる方は、話しやすくて優しい方ばかりなので、温かく移住者を受け入れてくれると思います。

取材日:2025年5月20日

編集後記

羽田さんのご実家の見附市は、胎内市から高速道路を使って1時間半ほど。
同じ新潟県とはいえ、市町村によっても、住む地域によっても、暮らす上での違いがあるように思います。

特に、積雪量は住む地域によって大きく異なります。
私は胎内市に移住するまで「新潟県ならどこでもたくさん雪が降る」と思っていましたが、海沿いは積雪量が少ないことを知ってびっくりしました。

胎内市内でも海沿いは積雪量が少なく、山間部は積雪量が多いです。
(コラム記事「1月の胎内市を地域おこし協力隊がお伝えします:雪と小正月行事」、「2月の胎内市を地域おこし協力隊がお伝えします:雪遊びと塞の神」で山間部の積雪量を写真でご覧いただけます!)

また、同じ市町村内で田舎度合いも異なります!
山に囲まれた自然豊かな「THE・田舎」があれば、ショッピングモールがあるような都会っぽい街もあります。

胎内市内なら、中条地区はスーパーやドラッグストア、ホームセンターなどが揃った利便性の良いまち中で、黒川地区は観光施設がまとまっていて自然を満喫できる地域です。

東京圏ならどこに住んでもそこまで大きな違いはありませんが、新潟県内・胎内市内への移住を考えるのであれば、住む場所によって暮らしが変わってくることを念頭に、事前にそこに住んでいる人に聞いてみたり、現地に足を運んでみたりすることをおすすめします!

新潟U・Iターン総合サイト「にいがた暮らし」では、新潟県内の積雪量の違いなども知ることができますので、あわせてご覧ください!

(地域おこし協力隊 重田)

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